小さな本棚

20代。このままで終わりたくない私は今日も本を読む。

池上彰の世界の見方 朝鮮半島 

知ることは楽しい。

世界の見方シリーズを読むと、ニュースの見方が変わる。

色々なことが自分の頭できちんと繋がるようになる。

 

今回の『朝鮮半島』は、近い国だからこそ読むほどに興味を持ちました。

北朝鮮と韓国の関係、日本と北朝鮮、韓国との歴史。

歴史を知れば今が分かる。

 

たくさん興味深い話があったのですが、北朝鮮金日成金正恩の祖父)の話が印象的だったので紹介したいと思います。

 

どうして金正恩(キムジョンウン)の祖父である金日成(キムイルソン)が朝鮮の初めの最高指導者になれたのか。

ソ連朝鮮半島に自分たちにとって都合のいい国(言いなりになる国)を作ろうと考えました。その時に目をつけられたのが、金日成です。

なぜ金日成に白羽の矢が立ったのか?

 

金日成の本名は金成柱(キムソンジュ)だそうです。

金成柱は平壌で生まれ、15歳で満州へ移り抗日運動に関わっていました。

抗日運動で日本軍と戦っているときに、自から金日成と名乗るようになったようです。

その後日本の治安部隊に追われソ連へ。

ソ連軍の朝鮮人部隊の兵士になり、大尉として朝鮮人部隊を率いるようになりました。

 

さて、朝鮮には、「キムイルソン伝説」というものがありました。

日本が朝鮮半島を統治していた時代に、日本軍と勇敢に戦い続けているキムイルソンという伝説的な将軍がいる。そんな話がまことしやかに語られ、朝鮮半島に広まっていました。都市伝説のようなものです。

 

もちろん、金日成こと金成柱とは無関係です。

そもそも、金成柱は大人になってからは満州ソ連で生活していたので。

 

ですが、ソ連はこの「キムイルソン伝説」を利用します。

ソ連軍の大尉に金日成と呼ばれている男がいる。この男を「伝説のキムイルソン」として北朝鮮の最高指導者にしよう。

このように考えたようです。

 

1945年10月14日。平壌で開かれた日本支配からの解放を祝う祝典で、金日成は初めて市民の前に姿を見せます。

「伝説のキムイルソン」を見るため集まった人で埋め尽くされたそうです。

しかし、登場した金日成を見てみんなビックリ。

「伝説のキムイルソン」は、日本が朝鮮半島を統治していた36年間ずっと戦い続けてきた猛者のはずなのに、現れたのは33歳の若い青年。

しかも、話すのはたどたどしい朝鮮語。(金日成は長く中国にいたので中国語はペラペラだったが朝鮮語はぎこちなかったらしい)

 

明らかに偽物でしょ!と朝鮮の人たちは思います。

ですが、ソ連の後押しで最高指導者となり、自分より力を持ちそうな目障りな人はどんどん殺してしまいます。

さらに、ソ連に逃げていたことがばれないよう様々な歴史の偽造をします。

 

ただ、帳尻合わせする必要がたくさんありすぎて、かなり無茶苦茶な偽造ですが…。

例えば、先頭に立って指導したといわれる抗日独立運動の年代を照らし合わせると、金日成が7歳だったり。

その他の偽造についても本に書かれているので気になる方はそちらを読んでください。

ちょっと笑ってしまうものばかりですが。

 

様々な歴史があって今に繋がっているんだということをとても感じる本でした。