小さな本棚

20代。このままで終わりたくない私は今日も本を読む。

進化しすぎた脳  

脳科学者の池谷裕二さんが高校生に語る、という形式でまとめられた本です。

高校生向けに脳について語っているので難しすぎず読みやすいです。

後半の3章と4章は少し専門的な話も入ってくるので、生物や化学が苦手な人にとっては少し読みにくいかもしれませんが、2章まで読むだけでも充分価値のある本かなと思います。

 

興味深くて引き込まれるところがたくさんありすぎて、どこを紹介したらいいか迷ってしまいます。

自分が特におもしろいなぁって思ったところを紹介します。

 

「いま」は常に過去

どういうこと?って思いますよね。

人間は脳に入ってきた情報を処理するのに時間がかかります。

文字や言葉が目や耳に入ってきちんと情報処理できるまでに、少なくとも0.1秒、通常0.5秒くらいかかるんだとか。

つまり、自分がまさに「いま」を生きているような気がするけれど、そうではなくて「いま」と感じている瞬間は0.5秒前の世界だそうです。

 

ほかにもこんな話が書かれていました。

世界があって、それを見るために目を発達させたんじゃなくて、目ができたから世界が世界として初めて意味を持った。

動物によって見え方って全然違うんですよね。目の構造もそれを処理する脳も違うし。

だから、例えば魚の目を人間が持っていたら全然違った世界の解釈になると池谷さんは語っています。

 光の三原色(赤・緑・青)についても、網膜に3色に対応する細胞がたまたまあったから人間にとっての三原色が赤・緑・青になっただけで、例えば赤外線に反応する色細胞があったら光は三原色ではないと言及しています。

もともと世界の色が光の三原色でできていたから、人がそれに対応させて網膜を発達させたわけではなくて、人の網膜に3色に対応する細胞があるから世界がこう見えているということなんですね。

実際の人間の目は、世の中に存在する電磁波の、ほんの限られた波長しか感知できない。だから、本来限られた情報だけなのに「見えている世界がすべて」だと思い込んでいる方が、むしろおかしな話でしょ。

その意味で、世界を脳が見ているというよりは、脳が(人間に固有な特定の)世界をつくりあげている、といった方が僕は正しいと思うわけだ。

 

 

実際の世界ってどんなふうなんだろう。

というか、そもそも実際の世界ってなんだろう?

見ているものが私の全てで、それは脳が作ったもので…

うーん、いろいろ考えてしまいます。

目の話ばかり取り上げてしまいましたが、これはほんの一部で

心って何だろう?とか意識と無意識の違いを脳から考えたりとか

とにかく脳について、というか人間について深く考えさせられる一冊でした。