小さな本棚

20代。このままで終わりたくない私は今日も本を読む。

アンパンマンに込められた思いとは?

アンパンマン」の作者のやなせたかしさんの本。

正義とは何か。

今日の正義が明日の正義とは限らないし、正義のためには悪人がいなくちゃいけない。

でも、悪人の中にだって正義があったりする…。

じゃあ、正義っていったい何だろう?

やなせさんがアンパンマンに込めた正義への思いについて書かれています。

 正義について書かれた本って聞くと堅苦しい感じがしますが、正義についてだけではなく、やなせさんが考えていることがざっくばらんに書かれています。

エッセイのような感じで読みやすかったです。

 

 

はじめに思ったのは、とてもユーモアのある方だったんだなぁということ。

読み始めてすぐにやなせさんが好きになってしまいました。

言葉1つ1つに重みがあって、なんだか考えさせられました。

戦争に行った人が命を語るのと、行っていない人が語るのでは全然重みが違いますよね。

そういう感じ。

立ち止まって考えさせられる言葉が多かった。

 

 

 

ばいきんまんって色んなキャラに変身(変装?)して出てくることがあります。

そのことについてこんな風に書かれています。

例えばジャムおじさんに変身すると、一目でばいきんまんが変身していると分かるのに、みんなが「あ、ジャムおじさん」と騙されてしまう。

なんで分からないのか、作者のぼくが何回見ても不思議なくらいです。

アンパンマン側の人は人がいいのですね。そういうところが物語としての一種の面白さでもあるけれど、これは実は、現実の世界でも同じことがあるのです。

この後、現実世界にもばいきんは生活の中にいるけれど、気が付かない。

一目見てすぐには分からない。

私たちの社会の中でも、詐欺など「なんであんなことで騙されるの?」という簡単なことで騙されたりする。

というふうに述べられています。

 

全部で4章あり

1章では正義について。

2章はやなせさんの生い立ちやアンパンマンが生まれたときの話。

3章、4章では、じゃあ正義を行うとはどういうことなのか、人にできることって何だろう。というようなことが書かれています。

 

愛には、いさましさも含まれていて、勇気には、やさしさが含まれている。

 

「正義」ってなんだかかっこいいような、それでいて嘘くさいもののような。

私たちが生きてる世界は、白黒はっきりしているものの方が少なくて。

「正直者が損をする」ことなんか山ほどあって。

それでも、ここだって時に自分の思うように行動できる人になりたいなぁって思います。

 

読んだ後に、なんだか優しい気持ちになれる一冊でした。

 

 

 

 

池上彰の世界の見方 朝鮮半島 

知ることは楽しい。

世界の見方シリーズを読むと、ニュースの見方が変わる。

色々なことが自分の頭できちんと繋がるようになる。

 

今回の『朝鮮半島』は、近い国だからこそ読むほどに興味を持ちました。

北朝鮮と韓国の関係、日本と北朝鮮、韓国との歴史。

歴史を知れば今が分かる。

 

たくさん興味深い話があったのですが、北朝鮮金日成金正恩の祖父)の話が印象的だったので紹介したいと思います。

 

どうして金正恩(キムジョンウン)の祖父である金日成(キムイルソン)が朝鮮の初めの最高指導者になれたのか。

ソ連朝鮮半島に自分たちにとって都合のいい国(言いなりになる国)を作ろうと考えました。その時に目をつけられたのが、金日成です。

なぜ金日成に白羽の矢が立ったのか?

 

金日成の本名は金成柱(キムソンジュ)だそうです。

金成柱は平壌で生まれ、15歳で満州へ移り抗日運動に関わっていました。

抗日運動で日本軍と戦っているときに、自から金日成と名乗るようになったようです。

その後日本の治安部隊に追われソ連へ。

ソ連軍の朝鮮人部隊の兵士になり、大尉として朝鮮人部隊を率いるようになりました。

 

さて、朝鮮には、「キムイルソン伝説」というものがありました。

日本が朝鮮半島を統治していた時代に、日本軍と勇敢に戦い続けているキムイルソンという伝説的な将軍がいる。そんな話がまことしやかに語られ、朝鮮半島に広まっていました。都市伝説のようなものです。

 

もちろん、金日成こと金成柱とは無関係です。

そもそも、金成柱は大人になってからは満州ソ連で生活していたので。

 

ですが、ソ連はこの「キムイルソン伝説」を利用します。

ソ連軍の大尉に金日成と呼ばれている男がいる。この男を「伝説のキムイルソン」として北朝鮮の最高指導者にしよう。

このように考えたようです。

 

1945年10月14日。平壌で開かれた日本支配からの解放を祝う祝典で、金日成は初めて市民の前に姿を見せます。

「伝説のキムイルソン」を見るため集まった人で埋め尽くされたそうです。

しかし、登場した金日成を見てみんなビックリ。

「伝説のキムイルソン」は、日本が朝鮮半島を統治していた36年間ずっと戦い続けてきた猛者のはずなのに、現れたのは33歳の若い青年。

しかも、話すのはたどたどしい朝鮮語。(金日成は長く中国にいたので中国語はペラペラだったが朝鮮語はぎこちなかったらしい)

 

明らかに偽物でしょ!と朝鮮の人たちは思います。

ですが、ソ連の後押しで最高指導者となり、自分より力を持ちそうな目障りな人はどんどん殺してしまいます。

さらに、ソ連に逃げていたことがばれないよう様々な歴史の偽造をします。

 

ただ、帳尻合わせする必要がたくさんありすぎて、かなり無茶苦茶な偽造ですが…。

例えば、先頭に立って指導したといわれる抗日独立運動の年代を照らし合わせると、金日成が7歳だったり。

その他の偽造についても本に書かれているので気になる方はそちらを読んでください。

ちょっと笑ってしまうものばかりですが。

 

様々な歴史があって今に繋がっているんだということをとても感じる本でした。 

 

 

 

進化しすぎた脳  

脳科学者の池谷裕二さんが高校生に語る、という形式でまとめられた本です。

高校生向けに脳について語っているので難しすぎず読みやすいです。

後半の3章と4章は少し専門的な話も入ってくるので、生物や化学が苦手な人にとっては少し読みにくいかもしれませんが、2章まで読むだけでも充分価値のある本かなと思います。

 

興味深くて引き込まれるところがたくさんありすぎて、どこを紹介したらいいか迷ってしまいます。

自分が特におもしろいなぁって思ったところを紹介します。

 

「いま」は常に過去

どういうこと?って思いますよね。

人間は脳に入ってきた情報を処理するのに時間がかかります。

文字や言葉が目や耳に入ってきちんと情報処理できるまでに、少なくとも0.1秒、通常0.5秒くらいかかるんだとか。

つまり、自分がまさに「いま」を生きているような気がするけれど、そうではなくて「いま」と感じている瞬間は0.5秒前の世界だそうです。

 

ほかにもこんな話が書かれていました。

世界があって、それを見るために目を発達させたんじゃなくて、目ができたから世界が世界として初めて意味を持った。

動物によって見え方って全然違うんですよね。目の構造もそれを処理する脳も違うし。

だから、例えば魚の目を人間が持っていたら全然違った世界の解釈になると池谷さんは語っています。

 光の三原色(赤・緑・青)についても、網膜に3色に対応する細胞がたまたまあったから人間にとっての三原色が赤・緑・青になっただけで、例えば赤外線に反応する色細胞があったら光は三原色ではないと言及しています。

もともと世界の色が光の三原色でできていたから、人がそれに対応させて網膜を発達させたわけではなくて、人の網膜に3色に対応する細胞があるから世界がこう見えているということなんですね。

実際の人間の目は、世の中に存在する電磁波の、ほんの限られた波長しか感知できない。だから、本来限られた情報だけなのに「見えている世界がすべて」だと思い込んでいる方が、むしろおかしな話でしょ。

その意味で、世界を脳が見ているというよりは、脳が(人間に固有な特定の)世界をつくりあげている、といった方が僕は正しいと思うわけだ。

 

 

実際の世界ってどんなふうなんだろう。

というか、そもそも実際の世界ってなんだろう?

見ているものが私の全てで、それは脳が作ったもので…

うーん、いろいろ考えてしまいます。

目の話ばかり取り上げてしまいましたが、これはほんの一部で

心って何だろう?とか意識と無意識の違いを脳から考えたりとか

とにかく脳について、というか人間について深く考えさせられる一冊でした。

坊ちゃん

 



紹介するまでもない、超有名な作品。
27歳にして、やっと読みました。
大筋は知っていたのですあまり読む気にならず。
だって難しくて堅苦しい感じだと思っていたので。
でも、思っていたより難しくなく読みやすかったです。
 
 
いやー、スカッとした。
こんな面白い小説だったんですね。
 
あらすじを簡単に説明すると(する必要もないと思いますが…)
正義感が強く、やんちゃな主人公が田舎で先生をする話です。
 
 
シンプルに物事を考え、自分の思うように行動する主人公が爽快でした。
そして自分がこんな風に思った通りに動いたのはいつが最後だろう…と思いました。
思い出せないほど前な気がします。
いつからこんなにつまらない大人になっちゃったんだろう。
世界はとてもシンプルで、周りはそんなに自分のことを気にしていないんだろうな。
もっと自分に正直に生きたい、そんな風に思った一冊でした。
 

 

池上彰の世界の見方 ドイツとEU

 

 お恥ずかしながら、「EUって、ヨーロッパの国がたくさん集まってできてる」くらいの認識しかありませんでした。

 

あと知っていることといえば、ユーロとどこかの国がEUを離脱しようとしてるってくらい。

 

そんなほぼ何も知らない私でもスラスラ読めました。

 

池上彰さんが各地の学校で授業した内容で作られてる『池上彰の世界の見方』シリーズのヨーロッパ編です。

高校生に向けた授業なので、分かりやすく読みやすいです。

 

 

昔は社会が苦手でした。

日本史はちょっと面白かったけど、世界史とかは全然…。

海外のことに興味を全く持てませんでした。

でも、外のことを知ることって、結局全て自分に返ってくるなぁって最近思います。

海外の文化を知ることで、日本の文化について考えたり。

EUの難民問題を考えていると、日本が同じ状況になったら?って思うし。

その時自分はどう思うんだろう、どうするのがいいのかな?とか。

 

EUがどのようにできたのか、そもそもEUとは何で加盟国はどのような協定が結ばれているのか、どこを目指し現状はどうなっているのか。

細かく丁寧に書かれています。

 

私が特に興味深かったのは、ドイツの戦後教育のこと。

戦後ドイツは東と西に分断されますが、行われていた教育も全く違うものでした。

 

西ドイツは…

歴史教育において、戦争でドイツが犯した罪を徹底的に教え込む。過去にナチスが関わった情報の公開など、自らの過去を反省し、決別する努力をつづけているのです。

 

一方東ドイツは…

戦争は、一部の独占資本家が起こしたのだ。君たちプロレタリアート(労働者)は、被害者なのだ。そういう階級論争に基づいて、悪かったのはヒトラーとその取り巻き、そして一部の独占資本家だという国民教育を行いました。

 

この東西ドイツの教育の違いが今ひずみとなり現れているそうです。

戦争に対した反省する気持ちに違いがあることだけではありません。

例えば難民問題では、旧西ドイツの人たちは、戦乱を逃れてきた人たちや少数民族を助けるべきという義務感のようなものがあるので、難民や移民を快く引き受けます。

一方で、旧東ドイツでは受け入れに抵抗がある人も多いみたいです。

 

受けた教育で、考え方や行動が変わっていくんですね。

当たり前といえば当たり前なんですが、教育の力ってホントに大きいんだなぁ…と改めて感じました。

 

 

 

 

不倫


 
不倫に対して、世間の目が年々厳しさを増しています。
しかし、そもそも人類は「一夫一妻制」に向いているのか?という話。
 
私たちからしたら、一夫一妻制が当たり前のように感じます。
しかし人類の歴史から見れば、一夫一妻制が日本で主流になったのは最近のことのようです。
そして、遺伝子や脳科学の観点から見ても人類が「一夫一妻制」に向いているとはいえないということが書かれています。
なぜ、「一夫一妻制」に向いているとはいえないのか。なぜ、人は不倫をするのか。
その理由を脳科学や遺伝子、後天的な要因などの観点から解き明かしています。
 
もちろん不倫を正当化しているというわけではありません。
ただ、科学的に不倫をする要因をあげているというだけ。
人間の作った倫理観は後付けで人間社会に生じたもので、もともと人類が持ち合わせていたものではないんだと痛感させられます。
そして、自分の中にある価値観や倫理観だけで物事を見ていることって意外と多いのではないかと感じます。
 
 
遺伝子の観点から不倫を述べた後、中野信子さんはこのようにも述べています。
こうした研究結果からわかることは、生まれつき「一夫一妻制には向かない人」がいる、という厳然たる事実です。少なくとも「夫の浮気の原因は妻の性格や振る舞いにある」などと断罪するよりはよほどフェアな見方です。
ある人の振る舞いが一夫一妻制に合致するかどうかは、本人の意思や努力ではなく、遺伝子や脳の仕組みによって決まっている部分もあるのです。
不倫をしないことが普通。一夫一妻制が当然。
じゃあ当然のことができない理由は?それは家庭にある。
妻が悪い、もっと良い妻にならないと。
よくありそうなパターンな気がします。
家庭も要因の一つかもしれません。
でも、それだけだと考えるのは安直すぎるのでは、と考えさせられます。
自分も、自分の中にある物差しだけで考えていないか、物事を見ていないか。
そう考えるいいきっかけになりました。
 
他にも、なぜ不倫バッシングが過熱するのかについても科学的観点から書かれています。
 
なぜ、メディアで不倫が多く取り上げられ、バッシングされているのか不思議でした。
当事者が怒るのは当然ですが、なぜ周りがあんなに騒ぐのか。
その理由はオキシトシンというホルモンが関係しているようです。
人は「正義を執行している」という快楽から逃れられないのかもしれません。
バッシングすることで、快楽を感じているなんて人って怖いな…
でも、快楽を感じていないと言い切れない自分もいることがもっと怖いな…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

『齋藤孝の速読術』 本との向き合い方を見直すきっかけになる1冊

 

本を短い時間で早く読みたい。

そう思う人は多くいるだろう。

そして読んだ本を自分の中にきちんと理解し、使えるものにしたい。

そう思う人も多いのではないだろうか。

もちろん私もその1人で、どうすればいいのか…と試行錯誤を繰り返している。

 

 

齋藤孝の速読塾』は、本を短い時間でたくさん読み、さらに理解力を上げるためにどうすればいいか、実際に齋藤孝さんが実践している方法が書かれている。

 

 

本を読んだときの「理解力」は3段階に分けられるそうだ。

Cレベル…本を読んでも内容をすぐ忘れてしまう。

Bレベル…本の内容把握はでき、本の内容を要約することができる。

Aレベル…本の要約ができ、さらに新たな価値を付与して、オリジナルのアイデアや提案、見方が出せる。

 

Aレベルの「理解力」を得るためにどうしたらいいのか?

 

二割読んで八割理解する、キーワードを飛び石にして理解する、視点移動やボールペンを使った読み方など色んな角度からのアプローチが書かれている。

様々なアプローチが書かれているので、自分に合う方法を見つけることができるのではないだろうか。

 

私はとりあえず、3色ボールペンを使った読書法が一番やりやすそうに感じた。

 

また、読む時間の作り方についても触れている。

 

『「本を読めない時間」などあるだろうか

「どうやって本を読む時間を見つけるのか」という発想をやめて、「どういうときに本が読めないのか」という逆転の発想で考えてみてはどうでしょうか。』

 

なるほど、その発想はなかった。

どういうときと考えると、意外と本が読めない時は少ないことに気づく。

 

次からではなく、今から実践しようと思えることが詰まっている。

Aランクの「理解力」を目指す人は是非。